医療費控除の計算
医療費控除の計算は、簡単です。1年間に支払った医療費を集計すれば計算の8割程が終わったと言って良いでしょう。ここでは、計算手順の概要を初心者の方でも分かるようにご紹介したいと思います。
医療費控除計算式
ただし、上記金額が200万円を超える場合には、200万円が医療費控除額となります。
支払った医療費
医療費の領収書は税務署に行く前に自分で集計をしておく必要があります。集計もせずに行っても、税務署員は集計してくれません。相談会場で自分で集計することになり、時間がかかってしまいます。
税務署や相談会場では、控除の対象となるか不安なものについて、税務署員に最終確認するだけで計算に進めるようにしましょう。
領収書の集計についての主なポイントは次のとおりです。
- ・領収書は1年分大切に保管しておく
- ・医療費控除の対象かどうかを事前に確認する
- ・家族の領収書はまとめる
- ・電車・バス代はしっかりとメモをしておく
- ・支払った年を確認する(今年の支払いなら申告は来年)
- ・薬局の薬代も忘れずに
保険金などで補てんされる金額
国民健康保険・健康保険組合・共済保険等から支給を受けた高額療養費・出産一時金等については、支払った医療費から控除する必要があります。また、医療費の補てんのために受取った生命保険や損害保険も控除が必要です。
高額療養費は入院や手術などで多額の医療費を支払った場合に、加入する保険組合から自己負担限度額を超える医療費の部分の補てんが受けられるというものです。
生命保険金は「入院1日当たり5千円」とか、「手術1回20万円」という様な入院保険などに加入している場合に受取った保険金は支払った医療費から控除することになります。
10万円又は所得の5%控除
医療費控除は支払った医療費の全額が所得から控除できる訳ではありません。「足切り」があるのです。
- その足切りとは、次の金額のうちいずれか少ない方の金額です。
- ・10万円
- ・総所得金額等の合計額の5%相当額
総所得金額等の合計額が200万円未満であれば、「総所得金額等の合計額の5%相当額」の金額の方が少なくなります。例えば、所得が150万円の場合は医療費控除の足切りは75,000円となります。 足切りの金額が少ないほど医療費控除できる金額が大きくなりますので、低所得者に手厚くなっていることになります。
医療費控除の計算例
- (設定)
- 入院費用などの病院代:38万円
- 病院までの交通費:1万円
- 風邪薬などの購入:5万円
- 受取った医療保険金:25万円
- 自営業による所得:300万円
- 所得控除(医療費除く):230万円
- (計算例)
- 医療費控除の額:38万円+1万円+5万円−25万円−10万円=9万円
- 所得控除の合計額:230万円+9万円=239万円
- 課税所得金額:300万円−239万円=61万円
※ 上記は2020年1月現在の税法に基づいて記載しています。
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